第7回 うなりと共鳴(5月26日)

レポート課題(6月1日23:59締切)

単位が必要な人は必ず提出すること。
(未提出の人は未修となります)


前回の課題提出について(LaTeXの使い方)



(復習)Mathematicaで音を出してみよう

入力例1

Play[Sin[2 Pi 440 t], {t, 0, 1}]

角振動数    [1/s]の正弦波なので、振動数 は、

 

入力例2

Play[Sin[700 t + 25 t Sin[350 t]], {t, 0, 4}]




入力例3

Play[Sin[300 t Sin[20 t]], {t, 0, 5}]






音の重なり

2つの音が同時に同じ地点に届くと、2つの音の音圧の重ね合わせが起きる。純音(正弦波)を重ねあわせると音はどのように変化するのか見てみよう。

入力例4

Table[Plot[Sin[2 Pi n t], {t, 0, 5}], {n, 2}]

入力例5

Plot[Sin[2 Pi t] + Sin[2 Pi 2 t], {t, 0, 5}]

2つの正弦波のグラフとその重ね合わせた波のグラフを書いてみよう。



入力例6

Manipulate[Plot[Sin[2 Pi t] + Sin[2 Pi a t], {t, 0, 10}], {a, -2, 2, 0.01}]



Manipulateを使うと、aの値を動かせる。




干渉

 音の重ね合わせによって、音が大きく聞こえたり、小さく聞こえたりするのが干渉という現象である。音は縦波なので、圧力変化を正負交互に繰り返している。大気圧からの気圧変化分が正(大気圧より大きい)である瞬間は「正」の音圧、負(大気圧より小さい)である瞬間は「負」の音圧である。2つの音が重なったとき、両方が正(または負)であれば強め合うが、一方が正、もう一方が負であれば弱めあい、場合によっては音圧がなくなる(大気圧と同じになる)。

 最も強め合い音が大きくなるのは2つの波の移動が同位相のときに起こり、音圧がなくなり音が聞こえなくなるのは、2つの波の位相が逆位相(180°ずれている)ときに起こる。干渉は波動特有の現象である。


うなり

入力例7

Manipulate[Plot[Sin[2 Pi 440 t] + Sin[2 Pi 440 a t], {t, 0, 1}], {a, -2, 2, 0.01}]

周波数が近い二つの音を同時に鳴らすと、干渉によって振幅が周期的に変化し、うなりが聞こえてきます。うなりの周波数は、それぞれの周波数の差で表すことができます。

例えば、 の音と角振動数が ずれた音 を重ねあわせると、

入力例8

Play[Sin[2 Pi 440 t] + Sin[2 Pi 440 1.02 t], {t, 0, 10}]

 

 

 

となり、うなりの角振動数 となる。(振動数は 



入力例9

Plot[Sin[2 Pi t] + Sin[(2 Pi + 0.5) t], {t, 0, 20}]

入力例9は、2つの正弦波  を重ね合わせた波である。(上述の場合の , )


入力例10

Plot[{Sin[2 Pi t] + Sin[(2 Pi + 0.5) t], 2 Cos[0.25 t]}, {t, 0, 20}]


入力例10は入力例9と を同時にプロットしたものである。うなりの角振動数が0.25であることがわかる。


入力例11

Plot[{Sin[2 Pi t] + Sin[(2 Pi + 0.5) t], 2 Cos[0.25 t], Sin[(2 Pi + 0.25) t]}, {t, 0, 20}]





 周波数がほとんど同じ場合、音の高さの微妙な違いを聞き比べることは難しい。しかし、うなりを利用すれば、音の高さがずれていることを簡単に知ることができる。ピアノやギターなどの楽器の調律やオーケストラなどのピッチ合わせも、うなりを利用している例の一つである。


(復習)単振動(simple oscillation)


 左の図のような調和振動子で、摩擦を無視した単振動の運動は、2階常微分方程式 

で表される。ここで、この微分方程式は、線形・斉次の方程式なので、特性方程式 は2つの虚数解 を持つ。よって、一般解は、

 

 

 

減衰振動 (damped oscillation)

このように、単振動は振動を続ける系である。しかし、実際は、空気抵抗など摩擦がかかり、振動が収まると考えられる。


そこで、単振動に、速度に比例した摩擦力 がかかるとすると、この質点の運動のを表す方程式は、

 

ここで、 は、ばねの自然長からの質点の変位とし、 ばねによる復元力である。両辺を で割ると、

 

このとき、 ,  とすると、

 

 

となる。これは、単振動と同様に線形・斉次の2階微分方程式である。この系では、摩擦によって振動の振幅が減衰していき、やがて停止するので、減衰振動と呼ばれている。

この微分方程式の一般解を求めると、係数  の大小によって3つの振動に分類されることがわかる。

減衰振動

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過減衰

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臨界減衰

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共振

物体に振動する外力が働いているとき、その振動数が物体に備わっている固有の振動数に近いときは、その物体は大きく振動する。これを共振といい、特に音の場合には共鳴という。弦楽器は弦の振動をその胴の共鳴で音を選択的に増幅し、特徴的な音色を作る。

一休さん「小指一本で釣鐘を動かしてご覧にいれましょう。」

ikkyu


タコマ橋の崩落(アメリカ合衆国ワシントン州, 1940)



強制振動と共振 

このような現象を表す簡単な力学模型としては、ばねにつながれた質点に振動する外力が働いている系がある。減衰振動に外から外力を加えた系は次の微分方程式でかける。

 

これは線形・非斉次の2階微分方程式である。